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私は区立小学校に子どもを通わせています。 今、東京の都立校、公立小中学校で大変な問題が起きています。教育委員会による教員への処分が激増しているのです。 東京で'04年の3月30日に176名もの大量の教員が処分されました。処分の中身は、注意、戒告、停職、解雇(嘱託勤務の不合格、または取り消し)です。 処分の理由は、なんと、卒業式で君が代を斉唱しなかったから、です。(伴奏を拒否、入場を拒否したという理由の方もいます)皆さん、信じられますか。私には到底信じれらません。 その後も都教委の教員の処分はとどまるところを知らず、現在までに300人以上が処分されています。 いうまでもなく日本には「思想信条の自由」(憲法19条)があります。 ある特定の歌を歌わないからと言って処分、給与をカットしたり、クビにするなどということはあってはならないことです。生活の糧を削られる、教壇に立つ、生徒達と触れあうことを奪われる、そんなことをして良いはずがありません。都教委の処分は明らかに憲法違反です。 またこの「君が代」という歌が国歌になっていることにも大いに疑問を感じます。「日の丸」とともに侵略戦争のシンボルです。在邦のアジア人の方々はどのような目で「日の丸」「君が代」を見ているでしょうか。日本は侵略戦争時から何も反省していないと見られて当然ではないでしょうか。 この処分について当の都教委はどういう理屈付けをしているでしょう。正当な理由が説明できると言うのでしょうか。都教委の処分理由はこうです。「国歌斉唱は生徒に国歌について正しい認識を持たせるためにやらなければならない、それなのに教員が斉唱しないとは何事だ、けしからん」という訳です。説得力ゼロの屁理屈です。正しい認識を持たせるためと言っているにもかかわらず、生徒に「君が代」の歴史的意義を学ばせたりすることは禁じています。生徒に自分で考えることを停止させているのが今の都教委です。 都教委の偏狭な処分は石原慎太郎知事再選の2003年10/23から始まりました。石原の知己で子分とも言える横山洋一教育長が、全都立校校長に対し通達を出しました。「10.23通達」として教育問題に関心のある方達には有名です。これには学校での式典の形式について細かい指定がなされています。そしてこの指定に反したものは服務義務違反とする、と書いています。 それまで都立校と言えば自由な校風が特色でした。都立校は制服が無かったり、進学校であっても文化祭には力を入れたり、生徒の自主性を尊重し、式典、行事も生徒主体でやるといったところが多かったのです。それが石原が都知事になってしまってから徐々に教育委員会の管理下において自主性を制約するようになりました。 石原は自分勝手に東京都立大学も解体、再編成してしまいました。「首都大学東京」などというセンスゼロのネーミングにして自分好みの学長、教授陣にして、批判的な教授達を追い出しました。この都立大解体問題も非常に高圧的で問答無用の態度で強行したのです。 また、全公立小中学校でも「主幹」制度を取り入れました。これは教頭の下にもう一段階管理職を作り、校長の管理体制を強め、教員同士の分断にも繋がる制度です。 そして極め付けがこの10.23通達と教員処分です。石原は「君が代」「日の丸」に否定的な教員をあぶりだすためにこの処分を考え出し、服従しない教員を解雇して、全て自分の言うなりの教員に統一しようと思っているに違いありません。 私が'02年、子どもの入学式に参列した時に強く感じたのは、いかにも「式典」という厳粛、大仰な雰囲気でした。それまで保育園に足を運んでいた時には感じられることのない堅苦しさを感じ、自分が中学、高校生だったころの学校の式典よりもさらに重苦しいと感じました。バカでかい「日の丸」と校旗が掲げられている壇上に全員向き合って、司会の教頭が静粛させた中で「君が代」を歌う。私はそういう無意味に形式的なことが大嫌いなので、「君が代」斉唱時には着席して歌いませんでした。入学式も卒業式も子ども達のためのものです。教育委員会のためのものではありません。もっと子どもの創意工夫に満ちた会にすればよいのです。 私が子どもの通う小学校、中野区立桃園第二小学校のPTA会長になった'04年、ちょうど都教委による176名教員処分が起きました。入学式で挨拶するよう頼まれていた私は、この処分問題を新入生の保護者の皆さんに提議しました。祝辞を述べた後、処分問題に触れ「このような押し付けから、本校が無縁である事、また、本校の子ども達が将来に渡っても、内心の自由を傷つけられるような事態にならない事を心から願います。」と述べました。 この挨拶が原因でその後、校長教頭らによってPTA会長辞任にまで追い込まれました。そのことについてはこちらで詳しく説明します。 卒入学式のたびに、多くの人の心を思いやることのできる良心的な教員、子ども達が「君が代」斉唱のことで悩んでいるのです。悩む必要等あるはずがないのに。全くナンセンスな都教委の押し付けのせいです。カルト的に偏狭な指向の都教委ですから多くの方の批判に耳を傾けることも無く、これからもかたくなに処分を続けるでしょう。これは思想信条の自由を踏みにじり、生活の基盤を壊す人権侵害であり、犯罪です。私達都民は犯罪者を都知事に戴いているのです。何と恥ずべきことでしょうか。 ですが、こんな異常事態がいつまでも続くはずはありません。東京弁護士会も都教委に、国旗国歌に関する教員処分を出さないよう意見書、警告書を送っていますが、法律の専門家から見ても明らかに押し付けは違法なのです。 現在300人以上の教員の方々が、処分撤回のために法廷で闘っています。これほどの規模の法廷闘争は50年代の所謂「勤評」闘争以来ではないでしょうか。この教員の方々が負ける道理はありません。処分をもってある特定の歌を押し付ける、そんなことに道理が無いのは一般常識以前の問題だと思います。 一人でも多く方が、おかしな押し付けに抵抗してくれるように私は願っています。 どうか声を上げていただきたいと思います。 私は既に都教委に対してこの抗議文を送りました。未だ何の反応もありませんが。ぜひ、みなさんにも抗議の声を届けていただきたいと思います。ひとり一人の声は小さいですが、あきらめず、無視出来ないものにすることが必要なのでは無いでしょうか。 ジャズピアニスト 高橋 聡
東京都教育庁総務部教育情報課 |